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テレンス・マリック初監督作品。彼と一緒なら、地の果てまでも行けると思った。映画史に燦然と輝くロードムービーの傑作、日本初公開 3月7日(金)より新宿ピカデリーほか鮮烈の日本初ロードショー

映画『バッドランズ』公式サイト
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3月7日(金)より新宿ピカデリーほか鮮烈の日本初ロードショー 3月7日(金)より新宿ピカデリーほか鮮烈の日本初ロードショー
映画『バッドランズ』公式サイト1959年、サウスダコタ州の小さな町。15才のホリー(シシー・スペイセク)は、学校ではあまり目立たないが、バトントワリングが得意な女の子。ある日、ゴミ収集作業員の青年キット(マーティン・シーン)と出会い、恋に落ちるが、交際を許さないホリーの父(ウォーレン・オーツ)をキットが射殺した日から、ふたりの逃避行が始まった。ある時はツリーハウスで気ままに暮らし、またある時は大邸宅に押し入り、魔法の杖のように銃を振るっては次々と人を殺していくキットの姿を、ホリーはただ見つめていた―。

少女の目を通して描かれる、美しくも残酷な恋の記憶
アメリカ映画史上の最重要作、遂に劇場初公開

1950年代末アメリカ、ネブラスカ州とワイオミング州で約2ヶ月間に11人もが殺害された連続殺人事件。罪を重ねながら逃避行を続けた犯人のチャールズ・スタークウェザーとその恋人キャリル・アン・フューゲートはまだ十代だった―。全米を騒然とさせたこの事件を基に、クレジットなしで参加した『ダーティハリー』(71)ほか数本の脚本を手掛けたのみだった当時無名のテレンス・マリックが脚本・製作・監督を兼任した『バッドランズ』(73)は、後の『天国の日々』(78)と『シン・レッド・ライン』(98)によって巨匠の地位を確立し、『ツリー・オブ・ライフ』(11)でカンヌ映画祭パルム・ドールを受賞したマリックの監督デビュー作であり、現在では米国国立フィルム登録簿へ保存されるなどアメリカ映画史上の最重要作の一本と見なされる作品。70年代当時、日本では劇場公開が見送られ、1980年5月、TVの深夜映画枠で『地獄の逃避行』の邦題で初放映され、スクリーンに映し出されることはなかった。アメリカ公開からすでに半世紀以上を経たいま、もっとも劇場公開が待たれていた傑作が遂に日本初公開となる。

映画『バッドランズ』公式サイト映画『バッドランズ』公式サイト

明日なき若者と少女の逃避行を、
鮮烈かつ詩情豊かに描いたロードムービー

ジェームズ・ディーンに憧れる殺人犯キットと恋人のホリーは、アメリカン・ニューシネマの先駆け『俺たちに明日はない』(67)のボニー&クライドのように指名手配され、警察に追われるが、ホリーの目を通して描かれる犯罪の数々は、緊張感や現実感が希薄で、夢の中の出来事のようだ。永遠に続くかに思われる夕焼けや、青空へ舞いあがる赤い風船、はためくワンピースの色に彩られた、電気椅子まで続く虚ろで美しい日々。童話やおとぎ話を思わせる不思議な世界で繰り広げられるふたりの逃避行は、まばゆい陽の光と雄大な自然の中で鮮烈かつ詩情豊かに描かれ、アメリカ中西部の失われた風景を記録したロードムービーとしても傑出している。
キットを演じるのは後に『地獄の黙示録』(79)に主演するマーティン・シーン。ホリー役に『キャリー』(76)でタイトルロールを演じたシシー・スペイセク。そして、ホリーの父親役を『デリンジャー』(73)の名優ウォーレン・オーツが演じている。作品の抒情性を際立たせるのが、マリンバの音色が優しく印象的な本作のテーマ曲、ドイツ著名な作曲家カール・オルフによる「ムジカ・ポエティカ」。本作の大ファンだったトニー・スコット監督は、自作『トゥルー・ロマンス』(93)でこの楽曲を引用している他、『スリー・ビルボード』(17)のマーティン・マクドナー、『ムーンライズ・キングダム』(12)のウェス・アンダーソン、『リバー・オブ・グラス』(94)のケリー・ライカートら気鋭の監督たちにも本作は大きな影響を与えている。
銃声が轟き、無意味な殺生が繰り返される荒涼たる大地―バッドランズ。銃を手にその地を駆け抜けるふたりの姿は、今なお絶望的なまでにロマンティックだ。

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★1974年度サン・セバスチャン国際映画祭・金の貝殻賞受賞(テレンス・マリック)
 同・最優秀男優賞受賞(マーティン・シーン)
映画『バッドランズ』公式サイト
COMMENTS敬称略、順不同
山中瑶子(映画監督)
ひと目みた時からこの映画の虜になって(本当にファーストカットから!)、スクリーンで観られる日を待ち望んでいた。
シシー・スペイセクの可憐で凍てついた瞳に、たおやかでいて無関心な声。心にべったりと張り付くマジカルなスコアと撮影。
生活の渇きは、どこへ行く。14歳の頃が一番賢かったことを思い出す。
五十嵐耕平(映画監督)
あらゆる命に何の関心も持てず、軽薄で頭空っぽな二人を演じたマーティン・シーンとシシー・スペイセクがとんでもなく素晴らしい。
ここには何にもない。言葉通り、血も涙もない。ロマンスだって大したことない。
彼らと同じようにただ荒涼とした景色が広がるばかり…。
だがさて、私たちは?と言いたくなる。
奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
テレンス・マリック監督の映画は、計算された構図の美しさに毎度惚れ惚れする。長編監督デビューとなった本作も、そのほとばしる哲学を浴びる無二の体験だった。叙情的にとらえたアメリカの大地をつらぬく、青春の反抗と暴力。最後に残る感傷は、発表から時を経た今も生々しい。
坂本安美(アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム主任)
ゴミ収集するマーティン・シーンが庭でバトンを回しているシシー・スペイセクと出会うことで始まるふたりの恋の逃避行は現実と幻想が融合したアンデルセン物語のようだ。はじめての愛の交わりの後に呟くスパイセクの言葉のように、夢は残酷な現実と隣り合わせである。しかしまさにそれだからこそ、ふたりが出会い、感じる世界の一瞬、一瞬が生々しく、かけがえのないものとして私たちに刻まれていく。
後藤護(暗黒批評)
ウルトラ・ヴァイオレンスとラディカル・イノセンスが渾然一体となった、アメリカン・ニューシネマ版『狩人の夜』とでも呼ぶべき闇のおとぎ話。ホリーのバトントワリング、青空に放たれた赤い風船、舞い上がるヘリコプター……水平に広がるバッドランズの崇高な風景に圧倒されつつも、「浮遊する世界」(G・R・ホッケ)への軽やかな飛翔願望が本作には隠されている。「Gassenhauer」の浮世離れしたマリンバの響きに反重力宣言が聴こえた。
オートモアイ(アーティスト)
「長い孤独より愛する人との一週間を取る」
一時の決意も、落ちていくようなスピードの中では瞬きする間に過去になってしまう。
現実世界そのものから遠ざかり、非現実的な魔法の世界へ向かうような逃避行の中で、観客の私達もホリーとキットと共に不思議な夢を垣間見る。
小柳帝(ライター/編集者)
『バッドランズ』は、ナレーションがトリュフォーから来ているとか、ロビンソン・クルーソー的なツリーハウスのシークエンスが『気狂いピエロ』を彷彿とさせるとか、確かにヌーヴェル・ヴァーグの影響が随所に感じられるが、実際メインの撮影を行ったスティーヴン・ラーナーは、ロベール・ブレッソンやジャック・ドゥミの作品で知られるギスラン・クロケの薫陶を受けたカメラマンなのだ。おそらくラーナーが撮影したであろう、アメリカ西部の幻想的な風景は、ネストール・アルメンドロスによる『天国の日々』に負けず劣らず美しい。
小川あん(俳優)
一歩ごとに運命へ近づきながらも、どこか永遠のような時間を過ごすふたりの若者の果ては、不毛の地。砂埃の中にかすかに「くたびれた愛」の影が忍び込み、風と戯れるようにあっさりと揺れている。テレンス・マリックの叙情詩は「運命の無常さと儚さ」を走らせることから始まった。
有島コレスケ(ミュージシャン)
ロマンティックな逃避行のその先は楽園か破滅か。
乾いた銃声が虚しく耳に残って切ないが、淡々と語られる物語は白昼夢のように幻想的で、ただただ美しい。
鳥居真道(ミュージシャン)
恋愛は狂気の側にあるもので決して生易しいものではないと断言する恋愛映画の究極系という感じがします。誰かと恋に落ちることはまさに「不毛」なのかもしれません。連続殺人鬼と少女の関係は、まるでピーターパンとウェンディのようで、殺伐としていながらもどこか寓話的です。魔法が解けていく様を少ない表情で示すシシー・スペイセクの演技が見事。
高橋ヨーコ(写真家)
名作映画のオマージュかと思いきや、これがそれらのオリジナルだったのか。まるで映画を見ているようだな、、、(いや映画なんだけど)と思わず呟いてしまうほど、映画とはなんぞや、と考えさせられる一本でした。そぎ落とした音楽も最高。
THEATERS
公開日 地 域 劇場名
北海道
上映終了 札幌市 サツゲキ
4月11日 函館市 シネマアイリス
東 北
近日公開 仙台市 フォーラム仙台
近日公開 山形市 フォーラム山形
近日公開 福島市 フォーラム福島
関 東
上映終了 新宿区 新宿ピカデリー
上映終了 渋谷区 YEBISU GARDEN CINEMA
3月28日 千代田区 ヒューマントラストシネマ有楽町
3月28日 豊島区 池袋シネマ・ロサ
4月4日 世田谷区 シモキタ-エキマエ-シネマ K2
上映終了 墨田区 Stranger
上映終了 品川区 キネカ大森
3月7日 武蔵野市 アップリンク吉祥寺
上映終了 立川市 立川シネマシティ
上映終了 横浜市 シネマリン
近日公開 川崎市 川崎市アートセンター
上映終了 厚木市 あつぎのえいがかん kiki
4月26日 柏市 キネマ旬報シアター
5月20日 宇都宮市 ヒカリ座
4月4日 小山市 小山シネマロブレ
5月2日 高崎市 シネマテークたかさき
甲信越静
近日公開 長野市 長野ロキシー
4月29日 松本市 松本CINEMAセレクト
近日公開 上越市 高田世界館
4月18日 静岡市 静岡シネギャラリー
中部・北陸
上映終了 名古屋市 ミッドランドスクエアシネマ
4月5日 名古屋市 シネマスコーレ
3月14日 刈谷市 刈谷日劇
4月5日 金沢市 シネモンド
近日公開 福井市 福井メトロ劇場
関 西
上映終了 大阪市 なんばパークスシネマ
3月8日 大阪市 シネ・ヌーヴォ
上映終了 京都市 MOVIX京都
4月11日 京都市 出町座
上映終了 神戸市 cinema KOBE
上映終了 尼崎市 MOVIXあまがさき
中国・四国
4月18日 岡山市 シネマ・クレール丸の内
4月5日 広島市 横川シネマ
4月5日 尾道市 シネマ尾道
近日公開 山口市 山口情報芸術センター
上映終了 松山市 シネマルナティック
九州・沖縄
3月21日 福岡市 KBCシネマ
近日公開 佐賀市 シアター・シエマ
近日公開 熊本市 Denkikan
4月19日 大分市 シネマ5
5月23日 宮崎市 宮崎キネマ館
4月9日 鹿児島市 ガーデンズシネマ
4月26日 那覇市 桜坂劇場
出演
マーティン・シーン / シシー・スペイセク / ウォーレン・ウォーツ
監督
テレンス・マリック
1973年|アメリカ映画|カラー|1.85:1|93分|原題:BADLANDS
キングレコード提供 コピアポア・フィルム配給
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